作業・施工内容

ガス衣類乾燥機「乾太くん」を設置する際には、機器の性能を最大限に発揮し、安全かつ快適に使用するために、いくつかの重要な工事ポイントを押さえる必要があります。まず最も基本となるのがガス配管と排湿（排気）経路の確保です。乾太くんは都市ガスまたはプロパンガスを使用するため、ガス栓の新設や分岐が必要になる場合があります。既設の給湯器などから分岐配管を行う際には、ガスの流量や圧力を確認し、専用ガス栓を設けることが安全上重要です。また、ガス工事は必ず**有資格者（ガス可とう管接続工事監督者など）**による施工が求められます。

次にポイントとなるのが排湿ダクト工事です。乾燥時に発生する湿気や熱を屋外にしっかり排出することが乾太くんの性能を左右します。排湿ダクトはできるだけ短く、曲がりを少なく設計するのが基本です。長いダクトや複雑な配管経路は排気抵抗が増し、乾燥効率の低下や異音・熱のこもりの原因になります。屋外に面していない場所へ設置する場合は、排湿アダプターや延長ダクトを用い、安全に排気できるように設計することが大切です。外壁に設ける排湿口（トップ）は、給気口や窓から30cm以上離すなど、メーカー指定の安全距離を守る必要があります。

また、設置場所の換気・電源・スペースの確認も欠かせません。電源は100Vコンセントが必要で、消費電力は最大約1,300W。延長コードの使用は避け、専用回路を設けることが望ましいです。さらに、設置場所周囲に10cm以上の空間を確保し、点検やメンテナンス時にアクセスしやすい配置にすることが推奨されます。

設置台の選定もポイントの一つです。洗濯機の上に設置する「上置き台」や、床に設置する「下置き台」など、住環境や導線に合わせて選びます。上置き設置の場合は天井高さを確認し、ドラムの開閉に支障がないかチェックが必要です。近年は、デザイン性の高いスリム型や防振機能付き台も登場しており、マンションでも導入しやすくなっています。

最後に、試運転と安全確認が重要です。設置後にはガス漏れ試験や排湿風量の確認を行い、正常に排気されているかチェックします。また、お客様への操作説明やフィルター清掃方法、定期メンテナンスの案内を行うことで、長く安全に使用してもらうことができます。

このように、乾太くんの工事は「ガス配管」「排湿ダクト」「設置スペース」「電源」「安全確認」の5つが大きなポイントです。これらを的確に施工することで、乾太くんのスピード乾燥・ふんわり仕上がりを最大限に引き出し、安心・快適な暮らしを実現できます。