作業・施工内容

マンションのパイプスペースに設置された前方排気型給湯器を交換する際には、建物の構造や管理規約に強く影響を受けるため、いくつか重要な注意点があります。まず、必ず同じ前方排気タイプを選ぶことが基本です。PS内は排気の流れが制限されているため、他の排気方式（上方排気・側方排気など）へ勝手に変更すると、排気不良や一酸化炭素中毒の危険性が生じるほか、消防法やメーカー基準に抵触する可能性があります。また、マンションによっては排気筒が専用品になっている場合があり、排気トップの互換性も重要です。

次に、管理組合・管理会社への事前確認や申請が必須です。マンションの規約で「同等品への交換のみ可」「指定メーカーのみ可」「工事前申請が必要」などの条件が定められているケースが多く、これを守らないと工事が認められない場合があります。また、PS内部はスペースが限られているため、本体サイズ・点検スペース・扉の開閉可否などの寸法確認も欠かせません。

さらに、近年の給湯器は旧型より奥行きや高さが大きいことがあり、既存のPS枠に入らないトラブルも多く発生します。必要に応じて専用のPS枠アダプターが必要になることもあります。排気の風向きが変わることで、上階の住戸やPS周辺に熱気や湿気の影響が出ないかも確認が必要です。

最後に、工事後は動作確認・排気チェック・ガス漏れ検査を確実に行い、メーカー保証・工事保証の書類を受け取ります。安全性の高い工事のためにも、マンションPS施工に慣れた業者へ依頼することが大切です。