作業・施工内容

エコジョーズ給湯器は高効率なガス給湯器として広く普及していますが、使用から10年前後が経過すると、エラー920などの故障コードが表示されることがあります。これはエコジョーズ特有の構造と仕組みに起因するもので、長年使用することで内部に徐々に負担が蓄積していくためです。以下にその仕組みとエラーの原因について詳しく解説します。

エコジョーズの最大の特徴は、**排気熱を再利用して水を温める「潜熱回収型」**であることです。従来型の給湯器では、燃焼後の高温の排気ガスはそのまま屋外に排出されていましたが、エコジョーズはこの排気ガスの熱をもう一度利用することで、給水を予熱し、効率を約95％にまで高めています。このプロセスで発生するのが「ドレン水」と呼ばれる酸性の排水です。

このドレン水は1日に数リットル発生し、機器内部のドレン配管やドレンタンクを通じて排出されますが、長年の使用でこの配管や中和器に**汚れやスケール（石灰質）**がたまり、排水不良を起こすことがあります。このとき表示されるのが「エラー920」です。920は主に「排水異常」や「ドレン水の流れが悪い」といった状況を示しており、機器の自己保護機能によって停止します。

また、エコジョーズ内部には中和器と呼ばれる部品があり、酸性のドレン水を中和してから排水する重要な役割を担っています。この中和器の中に入っている中和剤（炭酸カルシウム）は消耗品であり、10年ほどで効果が薄れてきます。中和器が劣化すると、排水が中和されず腐食の原因となるため、やはりエラー920などの排水系トラブルが発生しやすくなります。

その他にも、長期間使用することでファンモーターの劣化や電装基板の不具合が起きることもあり、これらもエラーコードの原因になります。特に湿気が多い場所に設置されていると、電子基板の腐食が早まるケースも見られます。

エコジョーズは省エネ性能に優れていますが、定期的なメンテナンスと10年を超えたあたりでの中和器の交換や本体交換の検討が必要です。エラー920が出た場合には、すぐに専門業者に点検を依頼し、排水経路や中和器の状態を確認してもらうことが大切です。10年を超えた給湯器で頻繁にエラーが出るようであれば、交換も視野に入れることで安心・快適なお湯生活を維持できます。