作業・施工内容

マンションのパイプスペース（PS）に設置されたスリムタイプのTES・熱源付き給湯器を交換する際は、限られたスペース内での作業になるため、機種選定や工事計画に細心の注意が必要です。以下に交換時の主なポイントをまとめます。

まず第一に重要なのが、サイズと形状の確認です。パイプスペース内は非常に限られた空間であるため、既存の給湯器と新しく交換する機種の寸法が合っているかを事前にしっかり確認する必要があります。特に高さ・幅・奥行きに数センチの差があっても設置できないことがあるため、「スリム型」や「薄型」の機種から選定するのが基本となります。

次に、TES（東京ガスの温水暖房システム）との接続互換性の確認です。TES対応機種は床暖房・浴室暖房乾燥機などとの連動が必要となるため、誤った機種を選ぶと既存の暖房システムが動作しなくなる可能性があります。TESマルチ型、熱源一体型など、現状の構成を確認し、それに合致するモデルを選ぶことが必須です。

また、排気方式の確認も重要です。上方排気、前方排気、後方排気など、パイプスペースの構造に合わせた排気方式でないと、安全に排気できず設置が不可能になることがあります。現場の図面や設置写真をもとに、業者と事前に打ち合わせしておくと安心です。

さらに、搬入・搬出経路の確保にも注意しましょう。マンションでは共用部を通じて作業する必要があるため、エレベーターの大きさや作業時間帯の制限、養生作業の有無なども含めた調整が必要です。特に高層階や階段しか使えない物件では、運搬費用や作業時間が大きく変わる可能性があります。

そして、補助金や助成制度の活用も検討したいポイントです。東京都内であれば「東京ゼロエミポイント」や省エネ住宅設備支援などが利用できる場合があり、エコジョーズタイプのTES給湯器に交換すれば、ポイントや商品券を受け取れる可能性があります。

最後に、配管やリモコンの劣化にも注目してください。長年使ってきたTES給湯器は配管内部の汚れや腐食、リモコンの誤作動が生じていることもあります。交換時にはリモコンや床暖房の分岐配管も併せて点検・更新することで、安心・快適に使い続けられます。

以上のように、マンションパイプスペースのスリムタイプTES・熱源付き給湯器の交換は、限られた条件の中で多くの要素を考慮する必要があります。経験豊富な業者に相談しながら、適切な機種と工事計画を立てることで、トラブルのないスムーズな交換が実現できます。