作業・施工内容

2つ穴給湯器（バランス釜タイプなど）を1つ穴の循環式給湯器に交換する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず最初に知っておきたいのは、2つ穴式給湯器は浴槽の内外で給湯と追い焚きを行うために2本の配管が必要ですが、1つ穴の循環式給湯器は1つの循環口で追い焚きを行う構造になっているという違いです。このため、交換の際には浴槽自体の交換や、浴槽への穴あけ・循環アダプタの設置などの工事が必要になることがあります。

1つ穴式のメリットは、見た目がスッキリすることや掃除がしやすいこと、また最近の給湯器の多くがこの1つ穴循環式に対応しているため、機種の選択肢が広がる点にあります。加えて、省エネ性能が高く、エコジョーズ対応機器を選べばガス代の節約や東京ゼロエミポイントなどの補助金が活用できるケースもあります。

ただし、2つ穴の給湯器が設置されていた建物は築年数が古く、排気筒が必要なバランス釜であることが多いため、設置スペースに制約がある場合があります。1つ穴給湯器は屋外設置型や壁掛け型が主流で、室内設置ができないタイプもあるため、設置場所や排気の取り回しについて事前に確認が必要です。また、ガス種（都市ガスかプロパン）や配管の位置、電源の有無などもチェックポイントです。

さらに、交換工事には専門的な知識と技術が必要であり、給湯器の本体以外に、配管工事・浴槽の交換・穴あけ加工などが加わることで工事費用が割高になる可能性もあります。見積もりを取る際は、こうした付帯工事が含まれているかを確認し、複数業者から比較検討することが大切です。

以上のように、2つ穴から1つ穴への交換は、設備面・工事面でいくつかの注意点がありますが、快適で省エネな浴室環境を実現できる良い機会でもあります。事前にしっかりと調査・相談し、安心してリフォームを進めましょう。