作業・施工内容

マンションのパイプスペース（PS）に設置されているスリムタイプ給湯器を交換する際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず最も重要なのは、限られたスペースに対応できる機種を正確に選定することです。スリムタイプの給湯器は、マンションのPS内に収まるよう奥行きや幅が抑えられているため、同等サイズの後継機種でなければ設置できないことが多いです。現地調査により、給湯器の寸法、排気の方向、配管の接続位置などを細かく確認することが必要です。

次に注意すべきは、配管や配線の劣化状況です。古い給湯器からの交換の場合、給水・給湯配管やガス配管、電源線の劣化が進んでいることがあるため、同時に補修・交換を行うことで安全性を確保できます。また、PS内部のスペースには限りがあるため、配管作業も非常に繊細になりがちです。熟練した技術者による丁寧な施工が求められます。

排気方式にも注意が必要です。既存の排気筒の位置や径に適合する排気部材を選ばないと、施工が困難になることがあります。特に上方排気や前方排気など、特殊な排気方式の場合には、適合する機種の選定がさらに重要です。

さらに、最近ではエコジョーズタイプなどの高効率型給湯器もスリムタイプで登場していますが、これを導入する場合にはドレン排水の処理も必要になります。ドレン配管の確保ができるか、排水ルートをどう確保するかも事前に検討しなければなりません。

最後に、マンションの共用部工事に該当する場合は、管理組合への申請や事前の許可が必要なケースもあるため、事前確認を忘れずに。これらのポイントを押さえて、安心・安全なスリムタイプ給湯器への交換を行いましょう。